【静音化】富士通 LIFEBOOK S935/KのCPUグリスを塗り直す
富士通の法人向けPC、LIFEBOOK S935/Kを中古で購入して2台ほど普段から使っていますが、少しの処理でCPUファンが回りだしてうるさいので、改善しないかと期待してCPUグリスを塗り直すことにしました。すなわちPC静音化計画です。
発売時期から考えると、グリスが劣化してもおかしくない時間が経過していますので、迷うこと無く塗り替えていきたいと思います。
私はこれまでに塗り直しの経験がないので、失敗して両方死んだら困るということもあり、まずは1台を塗り替え、起動確認をしていきます。問題なかったら2台目の作業を行います。
予め書いておきますが、めんどくさがりなのでいちいちCPU温度は測っていません。ファン速度の体感を感想として書きます。個人ブログなので作業風景・手順がメインです。お決まりのみんな大好き備忘録ってやつですね。
一応免責事項として、当サイトの内容を元にメンテナンスを行い故障や不具合・不利益が発生したとしても、管理人は一切の責任を負わないということを明記しておきます。
必要な材料、工具など
今回の作業では当然、裏蓋を開けることになります。最低限ドライバーが使える方でないと作業は不可能です。
必要なもの
・CPUグリス(当たり前)
・精密ドライバー
・キムワイプ(持ってなくても代用できれば何でもいいです。紙粉が出ないものにしてください。)
・IPA/イソプロピルアルコール(エタノール等でも構いません。無水が望ましい。グリス除去シートなるものもあるようですのでそれでも問題ないです。)
・静電気防止手袋(あればでいいです。私は持ってないので素手です。自作する人はもってるかもですね。)
CPUグリスはシリコングリスが一般的ですが、私のような人間には大量にはいらないので、少ない量で良い材質かつシリコングリスと商品単価が同じくらいだったシルバーグリスを購入しました。銀ベースのグリスで、効率がシリコングリスより少し良いです。TDP15WのCPUにそんなもの必要かという問いに対してはあえて触れません。
そして今回はグリスが劣化して固まっていることを想定していますので、無水のアルコールを使用しました。私は昨年同時期にありとあらゆるアルコールが入手不可になったときになんとか買えた100%IPAがまだ余っていましたので、それを使います。だれも消毒液とは言ってませんが(言えませんが)、70~80vol%くらいに水で薄めてグリセリンを入れると、ひどい臭いですが近年必要不可欠な液体に近い効果を持ちます。でもそれは法律上あくまでただの薄めたIPAであって消毒効果を期待してはいけません。(※工業用のアルコールなんで非常時以外はやめましょう。微量の有害物質が入っているかもしれません。)
一応、メタノール(燃料用アルコールなどに含有)の使用はやめてください。気体での毒性はあまり謳われませんが使わないに越したことはありません。引火点も低いので危険です。万一の事態を防ぐために必要に駆られない限りは購入・使用しないでください(特に誤飲)。たったの10mlで目が散ります。
何を言っているかわからない人は工業用アルコールでも危ないので、ドラッグストアや薬局、通販などで「無水エタノール」という商品を買ってください。100mlの小さいもので全然十分です。消毒用とかではなく無水です。こちらももちろん飲んじゃだめですが毒性や用途が桁違いです。誤飲すると知りませんが喉や口内が焼けると思います。
余ったら薄めて掃除にでも使ってください。使い方はラベルに表示されています。ちなみにあまり濃度高いまま床に使うとワックス剥げるので注意。特に革製品も痛むので注意。
余談ですがエタノールはお酒に含まれているので、一応不可飲処置のされていないエタノールには酒税に相当する金額が付加されています。ゆえにひときわアルコール類の中では高額です。無水エタノールでも飲むと有害な物質が微量含まれていたと思いますので、普通に薄めても酒としては安全に飲めないと思うのですがどうしてこういう制度なのでしょうかね。
とはいってもよほどガチガチに固まっていない限り、そこまで神経質になってアルコールを用意する必要は無いと思われます。先に書きますが私の環境ではすでにグリスは固まっていたものの、乾いたキムワイプでも取れました。一応清掃としてIPAは使いましたが、なくても大丈夫といえば大丈夫だと思います。こんなこと書くと自作している人からは怒られますね。
そして一般のウェットティッシュのようなものは控えたほうが良いかもしれません。根本的にアルコール濃度が低いのと、水分を多量に含むこと、さらに繊維が残りやすいのに加えて、保湿剤などの不純物が含まれていることが多いためおすすめしません。
少し長文で書きすぎました。さっさと作業に移りましょう。
1号機のCPUグリス塗替え
1号機とはいってもCPU周辺以外の画像は以前の記事で使った2号機の写真の使い回しです。撮影が面倒なのと盗難防止にクソダサステッカーを貼っているので許してください。
①まずは裏蓋を開けます。電源は切り、バッテリー・電源コードは必ず取り外してください。
ネジを取り外す箇所を赤で囲んであります。
静電気の起きにくい状態で作業してください。可能であれば全r(ry
②CPUに固定されているヒートシンクを外します。3箇所でネジ止めされているだけなので簡単に外れます。
ネジを外すとグリスが固まっているため引っ張ってもなかなか取れませんが、力の入れ方次第で結構かんたんに取れます。
ちなみに画像は2号機で作業した際のものです。1号機の画像はピンボケがひどくて使い物になりませんでした。
③グリスを除去します。キムワイプとアルコールを使って古いものを根こそぎ除去です。
下の写真は取り外し直後のものですが、しっかり固まっています。多少液っぽいものも残っていはいましたが、効果があったのか甚だ疑問です。
私はこれまでに塗り替えの経験がないので、その作業風景に関してはアップロードを遠慮します。一応、写真の状態と同じような広がりになるように塗り直しています。(どうしても見たい方は自作PCのサイトでも探してください)
塗り直し後、全く問題なく起動し数日間動かしていますが特に不具合はありません。むしろファンが信じられないくらい静かになり快適に過ごしています。これが低電力プロセッサの本来の実力なのかと思いました。とはいっても当然100%で動かしたらそれなりにうるさいですがそこは仕方ありません。加えて一時的に熱くなって高回転になってからのファン停止がこれまでより早くなりました。使用率が0にならないとほとんど停止せず惰性でこれまではファンが回転していましたが、簡単な作業であればほとんど時間をかけずに停止・低回転に移行するようになりました。
特に問題も見られないので2号機も塗り替えます。
2号機のCPUグリス塗替え
分解手順は1号機と同時なので写真は載せません。CPU周りだけ新規で撮ってます。
この機種は1年近く使っているので、内部にホコリも溜まっていました。マザーボード上の綿ゴミは手でとって排除します。2号機はファンも結構汚れていますのでこの機会に取り外して清掃します。
個人的には中古で購入した時点ですでに汚れていた可能性も少々考えてしまいます。買い替え前に数年使っていたNehalemプロセッサ化石ノートPCは、購入時にホコリが詰まってヒートシンクを塞いでいましたので正直この点に関しては中古業者をあまり信用していません。
分解風景は先述の通り割愛して、塗り替え前の写真と、ファン清掃のネジ外し箇所等を載せます。
まずは塗り替え前のグリスの写真です。
こちらも同様に固まってしまっていますので、塗り替えを実施しました。
ファンの汚れが気になるので、清掃を行います。ファン清掃の他に、ヒートシンクをエアダスターで吹いておきました。
取り外す箇所は左写真(モバイルの方は上写真)を赤丸で囲んだ3点です。ネジ2つとファンのコネクタです。
コネクタが固くてなかなか抜けなかったので、正しい方法かは知りませんがマイナスドライバで少しずつ持ち上げました。無理やり手で引っ張るのは基板に負荷がかかるのでやめましょう。
ファンを取り外すと裏面にさらにもうひとつネジがありますので同様に取り外します。カバーが開きますのでエアーダスターやブラシで掃除します。ファンに対して強い力がかかると故障の原因になりますので注意してください。
最後にすべての部品を元の順番で取り付け直すと終了です。
2号機も同様に、ファンの立ち上がりや止まり方に変化がみられた気がします。例のごとく温度は知りませんが、低使用率状態での回転は間違いなく減りました。
おわりに
結果的に、根本的に今回の塗り替えを行うに至ったPCがうるさいという問題も解決できて良かったです。
ただ、高回転域がうるさいのは本機のファンのそもそもの仕様ですのである程度受け入れる必要があるのかもしれません。
余談を含めて長々と書いてしまいましたが、メンテナンス時や中古での購入直後の参考になれば幸いです。
別記事で、メモリ交換やSSDへの換装なども掲載しておりますのでよかったらご覧ください。